「ウィーンの聴衆」

オーストリアのウィーンにいます。

 

昨夜は演奏会に出演しました。

 

ウィーンの聴衆は温かいです。だから弾いていてもたのしいし気持ちが楽ですね。例えば、もしミスタッチをしてしまっても、この世の終わりみたいな悲劇的な気持ちにならずに済むし、それは別に手を抜いてると言うわけではなくて、もっと他の部分に気を使えます。

 

そして、どんなピアノも日本と音が違って良く響くからペダルがほとんど少なくて済む。湿度が低くて建物が石造りだからでしょうか。

 

親切な知人にピアノ付きのアパートを貸して頂いて滞在中です。お部屋には1913年製のスタインウェイが。古いけど、味のある良い音がします。

2枚目は大学のレッスン室。ここにはやはりベーゼンドルファーとスタインウェイ が。日本とは音が違って本当に良く響くのは、湿度と建物の違いと、こっちの調律師さんの腕がみんな、かなりのレヴェルで素晴らしいからです。そしてウィーンの調律はトーンが少し高いから、帰国して耳が慣れるまで少し時間がかかりそうです。

 

ベートーヴェンやブラームスをウィーンで弾くと、あぁ、やっぱり彼らはここで暮らしていたんだなって感じます。ベートーヴェンを弾くためにはウィーンに住みなさい、とよく言うけれど、よくわかります。

しばらくの滞在となりますが、ウィーンの珍道中。時間があるときにちょくちょく載せていきたいと思います。