
前回
「クリスマスのお花」
こと、ノエル・フローレス教授に初めてご対面したときのお話を書きましたが、その続き。
私があまりにも驚いて、目を真ん丸くしてお部屋に入ると、(フランス人の女性の先生はどこだぁ!)
ノエル・フローレス教授(以下ノエルちゃん)はニッコリ微笑んで英語で私に言った。
「君はどこから来たの?英語話せるかい?何歳?13歳くらい?」って。
自慢じゃないけどワタシ、英語喋れません。
外人さんとお話したこともあんまり無かったし、
何しろ、フランス人女性だと思っていた「クリスマスのお花の先生」が、
色黒・長身のインド人のお爺さんだったことに驚きまくって言葉が全然出てこない・・
「・・・・・・・」
「僕の言ってること解る?」
とノエルちゃん。
「はい。ちょっと。」
「僕に習いたいと言う参加者が沢山いて、全員のレッスンをしてあげることは出来ないから、今から演奏のオーディションをしてパスした人だけを、僕のクラスに入れることにします。他の教授に習うことも出来るけど、君はどうしても僕に習いたいですか?」
と、いうようなことを全部英語で聞かれて、ワタシ パニック。
(頭の中は「クリスマスのお花が何で色黒のおじいさんなんだろう」ってことでいっぱいだし。)
それでも、遠い日本からはるばるノエルちゃんのレッスンを受けるためにやってきた私。
ここで食い下がっちゃぁイカン!
負けてらんないわ
ってことで、何とかノエルちゃんに英語で自分の意思を伝えようとした。
(以下ワタシの心の中・・)
私はあなたにどうしても習いたいです。
あなたがいいです。
あなたに習うために日本から来ました。
言葉が出てこない・・何か言わなくちゃ!
英語で何て言ったらいいんだろう。
〇〇したい、は英語で
「I want 〇〇」だから、
え~っと
あなたに〇〇したい は
あっ!!!
そうだ!!!!!!!
そこで、とっさに初対面のノエルちゃんに向かって
「I want you !!!!」
と言ってしまったのでした。
今となっては笑い話で済みますが、欧州で外人さんにそんなこと言っちゃったら大問題!大変です。(お恥ずかしい)
ノエルちゃんは一瞬目を真ん丸くして、
それから考えて、
しばらくまた考えて・・・
そしてニッコリ微笑んで
「うん。 じゃあ 弾いてみて。」
と言ってワタシをピアノの前に引っ張って言って座らせた。
何を弾いたか覚えてないけど、5分だったか10分だったか、自分の持ってる色んな曲を弾いて、それからノエルちゃんの方をビクビクしながら振り返ると、またニッコリ笑って、それからワタシのほっぺたに ぶちゅ~ぅ っとキスをして、(これにも固まるワタシ)
「君は素敵なピアニストだね。お名前は?」って。
「サヤカ トミオカ です。18歳です。」とワタシ。
「じゃあ、明日の〇〇時、僕のレッスンにおいで」
って。
この日のことは、一生忘れませんね。
フランス人の女性のはずのクリスマスのお花は、
インド人のとても素敵でハンサムなお爺さんでした。
これが4年後の留学のきっかけとなるノエルちゃんとの最初の出会い。
恥ずかしい・・